べナウル伝説 第14話



『べナウルへ・・・』

これがクロイス家の力・・・
私はしばらく、この溢れそうなくらいの
力をにぎりしめ、祈った。
いつか・・・また、この星がもとどおりになり
みんなが心から笑える日がきますように・・・


私達はもう、アフアト山に登る意味もなくなり
この街を去ることにした。
これから私達が向かうのは
最初に行った街、「コルムン」
もう一度あそこ周辺にもどり、今度は
お母様の行方を捜すことにした。
お母様なら、お父様の居場所や
その力を押さえ、元に戻す方法を知っているかもしれない。
それに、力を貸してくれるかもしれない・・・。
また振り出しに戻るようだけど、私達は行く事にした。

船のチケットをとり、7人で船に乗り込んだ。
前に乗った時とはまったく雰囲気が違った。
前に乗った時はアナフッドたちとはぐれて
フリックさんと二人だったな・・・
あの時はまだ、この旅も少しは楽しかったっけ。
今はどうだろう・・・仲間がたくさんいて心強いけど
本当の敵を知ってしまって少し空気が重たくなっている気がした。
私に気を使っているせいかあまり皆その事を口にしない。

そんな事を考えているうちに
船は元の大陸へついた。
これからまた歩いていく。長い長い道のりを・・・
途中いろんな街によりながら、「コルムン」を目指して・・・
あの時べナウル伝説を見せてくれた女の子は何か知っているだろうか・・・
お母様は一体どこにいるのだろう・・・

最初による街は「アーリトルン」
つい最近来たばかりの街だ。
そして、リーアの住んでいた街。
ここでも少しお母様のことを聞いてみる事にした。
宿屋の少し太った中年くらいのおじさんに聞いてみた。
が、聞いた事も無いと答えた。
次の街は「アーリア」
「アーリア」は確か市場がすごかったっけ。
いろんな果物や、洋服などがたくさんあって
とても賑やかな街だった。
買い物もしながら街の人にお母様の事をたずねた。
しかし、皆
「さぁ・・・?知らないねぇ・・・。」
などと答える人ばかりだった。
やっと目的地「コルムン」に着いた。
初め来た時よりもずっと、早く着いた。

そこには、前によった時にいた少女が立っていた。
あの時、私達を神だとか言って古伝を見せた少女だった。
「ルーアさん!」
彼女も私達に気づいたらしく、駆け寄ってきた。
「お姉ちゃんたち!久しぶりね!どうしたの?戻ってきて・・・。」
不思議そうに私達に尋ねてきた。
「あのね、ちょっと聞きたい事があって・・・・。」
そういうと、少女はまかせてよ。というような笑みをうかべて
答えてくれた。
「なぁに?聞きたい事って。」
「あのね・・・・・。」
そう言って、お父様のこと、お母様の事を聞いてみた。
「あぁ、王様達のことね・・・。」
やはり知っていると言う。
少女に詳しい事を聞く事にした。
なんと、お父様達はすでにべナウルに戻っているという。
そして、街は元通りだと・・・・・

なんだか嘘のように思えた。
だって、まだ何も解決なんてしていな。
奇跡の花だって・・・・あともう1つの指輪は
お父様の手にある・・・。一体どういうことなのだろう。
とにかく、私達はべナウルに行くことにした。
私の胸には、不安ばかりが残っていた・・・・・。


べナウルに着き、私達は驚いた。
「!?どういうこと・・・?」
つい最近まで草や木さえなかったはずなのに
花がたくさん咲き、街はにぎわって
前のように・・・前以上にべナウルはなっていた。
信じられなかった・・・・。
一体何が起こったのだろうか・・・・
混乱していた私の隣で、フールアがちッと舌を鳴らした。
「やつは、もう世界の半分を支配している・・・・。」
・・・・!?なんですって・・・・?
じゃあ、どうすればいいの・・・・?
「お母様・・・お母様は・・・・!?」
そういうと、フールアは
「最悪の場合、もうすでに殺されている・・・・ということも
考えられなくは無いな・・・。」
ショックだった・・・・

一見平和に見えるこの街は・・・
奇跡の花によって裏で支配されている。
城の中では一体・・・何がおこっているのだろうか・・・・

お母様・・・どうか無事でいてください・・・・


つづく・・・




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モドル